習慣化を処理する脳機能が壊れていると人はどうなるのか?

間抜けな脳さんである大脳基底核

 

この習慣を司る脳の部位に支障があると、

人はどうなると思いますか?

 

実験で明らかにしています。

 

大脳基底核に支障がある例として

パーキンソン病の方を被験者にしています。

 

パーキンソン病は、

神経伝達物質であるドーパミン

大脳基底核に送られなくなることで、

うまく機能しなくなるそうです。

 

その他の被験者として、

健康な人たちと記憶障害の人たちを加えた

3グループに分けています。

 

被験者たちは、

何かの図形が書かれた

カードを無作為に与えられて、

雨と晴れのどちらを意味するか

推測するように指示されました。

 

50回のテスト中、

健康な人たちと記憶障害の人たちは

10回ほど終わったところで、

当たる確率が

50%→65〜70%まで上がりました。

 

潜在意識で拾い上げられる微妙なパターンを

読み取れるようになったのです。

 

しかしパーキンソン病の方は

50%から上には改善されませんでした。

 

健康な大脳基底核がないと

脳はパターンを探知できないようです。

 

つまり、新しい習慣を身につけることが

むずかしくなると思われるとのことでした。

 

この実験でわかることを単純にしてみると、

脳は行動を決定する部分と、

自動化された行動のための

パターン認識をおこなう

2つの部分からなるとわかります。

 

 

賢い脳と間抜けな脳

脳には2種類の性質があります。

賢い脳と間抜けな脳です。

誰しもが持っている性質で、

大部分が間抜けな脳の性質を占めています。

 

この間抜けな脳を大脳基底核と呼びます。

ただ物事を繰り返す事が得意で、

エネルギー効率が大好き、

持久力がある脳といえるでしょう。

 

もう一方の賢い脳は前頭前野と言います。

どれだけ賢いのか?というと、

間抜け脳さんは、

「それが何か」を決めるのに対し、

賢い脳さんは、

「それが何になれるか」を決めます。

 

習慣を作るには、

賢い前頭前野が望んでいることを

他の脳にも好ましい

と思わせなければなりません。

 

前頭前野はあなたの意識の部分であり、

あなたが自分を自分として

意識するために必要な部分です。

 

ところがこの前頭前野は、

簡単にエネルギーを使い果たしてしまう

という弱みを持っているのです。

 

重要なことにエネルギーを大量に使うので、

スイッチオフになった瞬間に

間抜け脳さんが主導権を握るのです。

 

間抜け脳さんは、

人間が持つ高レベルな目標を認識できません。

賢い脳さんみたいに知的ではないのです。

自動的にただ繰り返すのが得意なんですね。

 

だから間抜け脳さんに

賢い脳さんの目標を伝えるプラン作りが

大切になってくるのです。

 

コントロールするにはどうすればいいの?

そのプロセスを少しずつ

次回から話していきます。

 

 

ゆっくり変わる事で心も習慣も安定的に

人間の脳はゆっくりとした変化だけを受け入れることで安定を保ちます。

 

急激に変わろうとすると、恒常性=ホメオスタシスというシステム機構が発動して、元に戻ろうとしてしまうのです。

 

一気に痩せようとすると何故かドカ食いしてしまうのもホメオスタシスの原理のひとつと言えるでしょう。

 

私たちの行動の45%は習慣として自動的に行なっているのです。

 

だとすれば人生や目標達成のためにうまく習慣を役立てる方がずっといいですよね。

 

うまくやり遂げるには、脳のふたつの主要部分について理解する必要があります。

 

それはまた次回に。

繰り返しは潜在意識脳の大好物

習慣化の過程で目指すスタンスは、

繰り返しです。

これが脳の反応を変化させる手段となります。

 

脳は納得できる見返りがないと

変化に対抗しようとします。

 

習慣を変えるには

繰り返しと報酬の2つが必要なんです。

 

報酬が得られるとわかれば、

何かの行動を繰り返そうという意欲が

脳の中で高まっていくのです。

 

実は、潜在意識の脳は効率が大好物です。

それこそが、

私たちが習慣を身につける理由であり、

原則なんですね。

習慣化の日数は"平均"66日である

習慣にしたいことがある

という時に、

よく耳にする習慣化の日数は、

21日といわれてきた。

 

しかし最近では

習慣化の本当の日数は、

平均66日だそうだ。

 

なぜ?21日じゃなかったの?

と思うかもしれないが、

どうやら誤解があったようだ。

 

そもそも21日

という神話を創り出したのは、

 

形成外科学のある医師が

手足の切断手術を受けた患者に対して

それに慣れるまでの日数は21日である

という事が判明したとのこと。

 

ん…?

慣れるまで日数

という切り口で言えばわからなくはないが、

ニュアンスが違うような気もします。

 

傷みに慣れることと、

努力によって慣れることは、

別物だからだ。

 

実際、努力という意味での実験を

12週間行ったそうだ。

飲み食いなど

朝昼晩に掛けて続けてもらう形だ。

 

その結果、習慣化にはバラつきがあり、

18日〜254日であった。

その平均日数が66日というわけだ。

 

簡単な経験であれば

21日かもしれないし、

難しい経験であれば

200日は掛かるかもしれない。

 

ここで大事なのは、

1日途切れた程度では

習慣化は途切れないという事だ。

 

そして幾分経験したものであれば、

次回始める時の心理ハードルは

かなり下がるモノだともわかっている。

 

一度身につけるのが

最初は続けるのが難しくとも、

辞めたとしても簡単に抜けない。

 

そこはとても安心できる材料なのかもしれない。

生活はそう簡単には変えられない

ストレスレベルが高くなると、

生活を変えるのはより大変になります。

 

ストレスに関われば関わるほど、

いつもしていることを繰り返す傾向がある。

 

だからそれ以外の行動から

逃げ出すことにもなります。

 

習慣にしたい

ポジティブな新しい行動も含まれます。

 

もちろん悪習慣が強化される

可能性もあります。

 

どんなに小さくとも

ポジティブな習慣さえ身につければ

あなたを決して見捨てたりはしないのです。

あまりに簡単なので、しないよりする方がいいと思える行動

何度も同じ行動を繰り返すと

専用の神経回路が創り出される

 

それをただ強化すればいいです。

 

ストレスを抱えると、

人間は習慣化された行動をとることが

多くなると言われています。

 

UCLAデューク大学の実験で、

人はストレスが増すと

習慣的な行動に頼ろうとする

という結果が出ました。

 

脳は効率を最重要とします。

エネルギーをなるべく少なくする為にも、

 

ストレスですり減っている状態の脳には

新たに頑張る何かよりも

習慣化された行動の方が楽なんですね。

 

意志の力が弱まっているときや、

重圧に押しつぶされそうになっている時には、

簡単に決断を下せなくなる。

 

疲れすぎて決断できないときには、

いつもしていることを

ただ繰り返す傾向がある。

 

これは良い習慣、悪い習慣にも

当てはまります。

 

悪習慣でストレスがさらに増して、

さらなる悪習慣を引き起こすよりも、

 

ストレスと悪習慣が自然に解消される

良い習慣の方がずっと楽なんです。